GIVEの意識を子育てに生かす
今回はアダム・グラント著『GIVE & TAKE(ギブ・アンド・テイク)』の内容を、子育てにどう生かせるかを考えてみます。
この本では、人は「ギバー(与える人)」「テイカー(奪う人)」「マッチャー(公平を求める人)」の3つに分類されると説明されており、最終的に成功し、幸せを手にするのは「ギバー」だという結論が示されています。
私たち親としては、子どもに「他者を思いやり、与える喜びを知る人」に育ってほしいですよね。でも、「与える人」になることが、損することではなく、周囲に信頼され、自分も成長できる生き方だと理解するには、どんなアプローチが効果的なのでしょうか?ここでは、そのヒントを『GIVE & TAKE』から考えていきます。
1. 子どもに「ギバー」のマインドを育てるには?
まずは親自身がギバーになる
子どもに「他者に与える人」になってほしいなら、まずは親がその姿を見せることが大切です。日々の生活の中で、小さな親切や思いやりを自然に実践することが、子どもにとって何よりの学びになります。たとえば、困っている人に声をかける、家族のためにちょっとした手助けをするなど、親が「与える姿勢」を見せることで、子どもはそれを自然と模倣します。
成功するギバーを目指そう
『GIVE & TAKE』の中でアダム・グラントは「ギバーには成功するギバーと、損するギバーがいる」と語っています。何でも無条件に与えすぎると自分が消耗してしまうこともあるため、与える姿勢にもバランスが必要です。子どもに与える喜びを教えるときは、「自分を大切にしながら他者を思いやる」という視点を持つことが重要です。
2. 「5分ギブ」で子どもの思いやりを育てる
グラントが提唱する「5分ギブ」というアイデアは、子育てに応用しやすい方法です。これは、「5分以内にできる小さな親切を惜しまない」というもの。
たとえば、こんな場面が考えられます。
- 公園で遊んでいるとき、転んで泣いている子に声をかけてあげる
- 学校で友達が困っていたら手伝う
- 家でのちょっとしたお手伝い
「親切な行動は必ずしも大きなものでなくていい」ということを子どもに伝えると、行動に移しやすくなります。毎日の生活の中で、「小さな与える行為」を意識的に褒めてあげると、子どもはそれを繰り返すようになります。
3. 「与える喜び」を体験させる
子どもが「与える」ことに喜びを感じるように導くのも大切です。そのためには、次のような体験を積極的に取り入れてみてください。
- 家族でボランティア活動に参加する
ゴミ拾いや地域活動など、周囲に貢献する喜びを親子で体験するのは非常に効果的です。 - 感謝の気持ちを大切にする
子どもが何かしてもらったとき、「ありがとう」をきちんと伝える習慣を育てましょう。感謝を言葉にすることで、「誰かに与えられた」という体験が、子ども自身の「与える行為」につながります。 - 「助け合い」の大切さを話す
子どもが助けた相手が喜んでいる様子を一緒に振り返り、「あなたが助けてくれたから嬉しかったんだね」と言葉で伝えると、与える行為が「自分も他者も幸せにする」ものだと理解しやすくなります。
4. 「マッチャー」や「テイカー」への対処も教える
とはいえ、世の中には「テイカー(奪う人)」や「マッチャー(公平さにこだわる人)」もいます。子どもがそのようなタイプに出会ったとき、どのように対処すればいいかを教えるのも重要です。
- すべてを受け入れすぎない:相手がテイカーの場合、無理をしてまで与える必要はありません。「お互い助け合える関係を築くことが理想」と伝えましょう。
- 公正な視点を持つ:マッチャーのバランス感覚を持ちつつ、長期的に信頼関係を築く姿勢が大切です。
まとめ
『GIVE & TAKE』から学べる子育てのポイントは、「他者に与える喜びを育むこと」です。親がギバーとしての姿勢を見せ、小さな親切や助け合いを日々の生活に取り入れることで、子どもは自然と「成功するギバー」として育っていくと思います。
子育てにおいては、短期的な結果よりも長期的な人間関係や幸せを重視することが大切です。ぜひ、子どもの成長を見守りながら、この『GIVE & TAKE』の考え方を日常に取り入れてみてください。
私はこの本を読んでから、子育てに対する意識も変えています。子育ては妻との二人三脚です。妻のことも尊重して互いに子育てに取り組めるよう、GIVEの精神を大切に日々過ごしていきたいですね。
ぜひご一読いただきたい書籍です。
それではまた!
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